映画 シャボン玉を呟く
★★★★☆
心がほっこりする、ワシの期待値を上回ったので★4である。
ワシの場合、事前期待値<鑑賞後の評価になると映画の評価が高く変わる傾向が強い。
冷静な論評で星を決めている訳ではないのだ。
この映画序盤を観てすぐに昔TVで放映されていたアニメの日本昔話を連想した。
市原悦子が助演のばあちゃん役で出ているが、同時に作中のナレーションも行っているからだ。
あの方がゆっくりした口調でナレーションすると条件反射で固定イメージが浮かぶ。
知らない人はお母さんにでも聞いて欲しい。
このナレーションには意図的な配役のにおいを感じるがそれでよいと思う。
エンディングのカメラワークで、視聴者が次に起こることを連想しやすくして
くれるなど演出が心にくい。
あらすじ
不幸な生い立ちの青年はヤサグレていた。
映画のヤサグレ役の人はその後の展開で犯罪を犯す割合が高いのである。
そうした皆の期待を裏切らず彼は悪いことをする。
悪いことをした後、ヤサグレ青年は警察に捕まらないように山間を逃げ回る。
しかし原チャリでこけて怪我をしたばあちゃん(市原悦子)を見かけたため
不承不承助ける羽目になる。
彼は根っからの悪人ではないのだ。
ばあちゃん(市原悦子)を家に届け、そのお礼にと飯を御馳走になり
風呂を沸かされ布団をひかれ、
とても優しくされてしまい居心地が良くなったセーネンはなんとなく
ばあちゃん家に住み着くようになる。
ばあちゃんは近所の人に親戚の子だと紹介、そのおかげで暫くは食って寝るの
パラダイス生活を送っていたが、
ある日、ばあちゃんの知り合いの漁師に引き合わされ山での仕事を無理やりに
手伝わされる羽目になる。
この山仕事が激しく厳しいが漁師のじい様も厳しい人なので逃げることも出来ず
仕事を覚えていく。
漁師のじいちゃんは星一徹ばりにスパルタ指導するし、体格も良いので迫力満点である
ヤサグレセーネンでは逆らうことなぞできず悪態付きながらこき使われる。
その過程で山で生きる術を自然と体が覚えていくのであった。
山仕事から帰ってくると疲れきっており風呂入って、飯食って寝るという超規則正しい生活をおくるのであった。
山でじいちゃんの様々な話を聞くうち、徐々に青年の心に人間らしい感情が蘇っていく。
セーネンは生きるために必要な心や逃げないことの大切さを学んでいく。
そんな暮らしを続けていくうち、徐々に知り合いも増え村の雑事や祭りの手伝いをするようになっていった。
ある時村の大事な、「平家祭り」の手伝いをしていて、若く美しい女性と出会い淡い恋心が芽生える。
セーネンは日々の安定した暮らしや心の平穏を得て人間らしい心を取り戻していった。
だが、その若き女性が村に帰ってきた理由を知った時彼の心は大きく揺れ動く。
一大決心をしたセーネンはじいちゃん、ばあちゃんに今までの自分の行動や
犯罪のことを告白する。
そして祭りの当日ある行動を起こすのであった。
ストーリー自体は定食系で安定している。
こう言った映画に突拍子もないストーリー展開を求めるような人はヤサグレていると
思う。
普通の映画を身構えずに見られることが大切なのだ。